信念・情熱、思い入れが人を動かす。
それがやがて、社会を、世界を動かす。
裏方をやり、今は演者である私は、この映画を通じてそんなことを改めて思いました。
とある、大御所シンガーソングライターの方が「この映画を観ずして、音楽を語ることなかれ!!(中略)ブラックミュージック好きの若者、絶対観なさい!!」とTwitterで紹介してくださった映画「メイキング・オフ・モータウン」
まだ観てない方は、ネタバレありますので、映画を観てからこのブログをご覧ください!(笑)
モータウンレコードの音楽ビジネスの秘訣を紐解くドキュメンタリー映画で、ヒットソングを世に送り出したスタッフへのインタビューと、アーティストへのインタビュー、そして当時の貴重な映像などで構成された映画です。
ベリーは、時代を読み解きそこに合わせて音楽を提供する才能に長けていた方だったと痛感させられました。こればかりは、誰にでもできるものではないと思いました。
しかし、ベリーが考え出した手法、やってきた手法は今の私たちにも、たくさん通じるものがあります。シンガーソングライターとして学ぶことはたくさん。
シンガーソングライターとして作業していると、結構孤独な作業になるのですが、モータウンは「チーム」時には競争もするけどでも結果「ファミリー」みんなが曲がヒットするためにどうするのが最適か?を考え、そのために何ができるのか?を考えて働いていたというアーティストにはとっても優しいレコード会社だなと感心しました。アーティストにマナーを学ぶレッスンもさせていた、内面からアーティストになるようにしていたというのも、結構びっくり。(私も内面鍛えたい!!)
最先端のヒット曲を送り出していたレコード会社は、1960年代にもかかわらず、黒人と白人が共に働き、女性の幹部までいたという、組織としても最先端を行っていたというのは驚きでした。
で、この映画で私が1番、心を動かされたのは、残念ながらちょっと暗いお話の部分。
1960年代に入ると、ヒットチャートTOP10に入る曲が何曲も誕生し、
若者たちが「モータウンなら買いだ!」と賑わっている中で、ツアーが始まったそうです。
そのツアー中に、彼らは生命の危険を感じたというのです。
特に、南部の方のツアーでは、まだまだ黒人差別が激しかったため、
移動中にハイウェイのトイレが使えなかったり、
終演後、荷物をバスに積んでいると、バスに向かって発砲されたり
(しかも、ガソリンタンクの数センチ横に打ち込まれたダンガンもあったとか)
さらに会場の真ん中にロープが引かれていて、白人席と黒人席に分けられていた会場なんかもあったというのです。
売れて、知名度が上がってきて、ツアーに出るようになっても、
アーティストの皆さんが命ん危険にさらされていたとは、今日の今日まで知りませんでした。
私もライブでMOTOWNの曲を歌うことがありますが、自分が聞いているその歌を歌っている人たちが、そんな怖い目にあっていたのかと思うと、切なくなってしまいました。
しかし、彼らの音楽はいろいろな壁を乗り越え、世界に届けられました。
辛くても、命が危険にさらされても、MOTOWNの音楽が世界中に広がっていったのは、
この曲を、アーティストをヒットさせるんだ!という、「想い」があったからこそだと思います。信念と情熱と想いがたくさんの障壁を飛び越えてきたんだ。
いつの時代も、どんな仕事をしていても「想い」は大切にしていきたいなと思います。
ところで・・・なんでクスッとしたかというと、
私がアメリカに逃亡して2013〜14年、ブロードウェイでは、ベリー・ゴーディがプロデュースした「MOTOWN:THE MUSICAL」ベリーがレーベルを立ち上げ、25周年記念コンサートが行われるまでを描いたミュージカルが上演されていました。
「やっぱりMOTOWNは勉強のために見た方がいい」と思って観に行ったら、私にとってはものすごく面白いミュージカルで、多分3回は観に行きました(笑)
モータウンの名曲たちがミュージカル用に、今時の流行りを入れたアレンジになっているものすごく気に入って、サントラも買ってしまいました。
で、映画のネタバレになってしまうのですが・・・
今回の映画も、ミュージカルも1曲目が「Papa Was a Rolling' Stone」で、本編最後の曲がダイアナ・ロスVerの「Ain't No Mountain High Enough」で終わるんです!
気づいて「同じやないかい!」と思ったらおかしくて、クスッとしてしまいました。
映画がミュージカルを意識したかどうかはわかりませんが、
こうなったのにも何か意味がある気がしています。
「MOTOWN:THE MUSICAL」のサントラも、なるほど!と、うなるアレンジの曲が入っています!
ご視聴あれ〜!
そんな私のライブのお知らせ!
◯楽やセッション!
日時:9月28日(月)Open19:00/Start19:30
場所:高円寺『楽や』 03-3338-6068
出演:北川涼(AG)・須川光(Key)
ゲスト:浅井晴香(Vo)・ナガオカ智(Vo)
料金:¥1,000+投げ銭+オーダー
詳細:http://www.luck-ya.com/index.html
◯VOCAL Wonderland 2020 Vol.3
日時:10月4日(日)Open12:30/Start13:00
場所:南青山MANDALA
出演:ME★LE / ナガオカ智×服部ヒロ / Chiiko×小谷敏也
料金:<配信>¥2000
詳細:https://mandala.gr.jp/aoyama/schedule/20201004_day/
#メイキングオブモータウン
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